これまで民事訴訟等の証拠提出用PDFを作成する際、Adobe Acrobatのコメント機能を使って手作業で「甲○号証」などの記載を入れていました。
毎回Acrobatを開いて記載を挿入する作業を効率化するため、Webブラウザ上で動作し、ドラッグ&ドロップだけで簡単に号証番号を追記できるHTMLアプリを作成しました。
何をしたか
ソフトウェアの画面にPDFや画像をドラッグ&ドロップし、テキストを入力してボタンを押すだけで、自動で右上に号証番号を挿入できるHTMLアプリを作成しました。
2025年12月にGeminiを使って最初のバージョンを作成しました。その後何度か修正を重ね、2026年1月で一応の完成版として事務所内で使用していたのですが、民事訴訟フェーズ3(mints)に適合した形式となっていなかったためアプリを作り直しました。
ここが便利です
mints推奨の「甲001」のような半角数字・3桁表示に対応しています。
PDFだけでなくjpgやpngなどの画像ファイルにも直接スタンプできます。
A4サイズへ自動調整して、提出時のサイズエラーを減らせます。
フォントは明朝とゴシックを用意しているため好みのものを選択できます。
ローカル環境だけで完結するため、外部へのデータ送信はありません。
導入方法
このアプリはインストール不要で、HTMLファイルを保存するだけですぐに使えます。
- 上のリンクから
evidence-number-app.htmlを保存します。 - 保存したHTMLファイルを、デスクトップなど分かりやすい場所へ置きます(デスクトップ以外でも大丈夫です)。
evidence-number-app.htmlをダブルクリックして開きます。
2026年4月20日追記:mintsへ書面・証拠をアップロードした際に上部に挿入される日時・提出者等と証拠番号スタンプの初期表示位置が重なってしまう問題、一部のPDFが回転して表示される問題、初期表示で証拠番号スタンプの上部が欠けて見える問題を修正しました。以前に evidence-number-app.html をダウンロードした方は、最新版を再度ダウンロードしてください。

使い方
evidence-number-app.htmlをダブルクリックして、Microsoft EdgeやGoogle Chromeなどのブラウザで開きます。- スタンプを付与したいファイル(PDF、jpg、png)をドラッグ&ドロップします。
- 符号や番号形式を選択し、番号を入力します。
- 1ページ目右上に証拠番号が追記されたファイルが、ダウンロードフォルダに保存されます。
なお、文字サイズを調整したり、新たな符号を追加したい場合は、自作ツールの作り方の記事を参考に、AIにこのhtmlをアップロードしてカスタマイズしてもらうか、AIのチャット画面に「こうカスタマイズしたい」と伝えて、htmlファイルのどの部分を変更すれば良いのか聞いてみてください。
mints(フェーズ3)への対応ポイント
半角3桁への対応: 「R8.3.27(最高裁判所事務総局民事局)民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」において、ファイル名は「証拠番号(半角三桁)」での記載(例:「甲001 売買契約書原本」)が推奨されていることに対応しました。
画像データへの対応: 改正法(改正民訴法231条の2)で電磁的記録に記録された情報の内容に係る証拠調べが新設され、写真データそのものを提出できるようになったため、jpgやpngにも対応させました。
A4サイズ自動変更: mintsでは若干でもA4(210mm×297mm)とサイズが異なるとエラーが出て提出できないことがあります。エラーが出た場合の、公式マニュアル(別紙3.ファイル変換方法)記載の対応手順が非常に面倒なため、アプリ内でA4へ自動変更する機能を実装しました。
開発環境について(Geminiからcodexへ)
以前Geminiで作成した際は、コードが出力された後に手動でメモ帳に貼り付けてhtmlで保存する必要があり、エラー修正の際もコピペの手間がありました。
今回は自作ツールの作り方の記事で紹介した「codex」を使用しました。codexは直接ファイルを編集できるため、直接htmlファイルを作ってくれる点で非常にスムーズにアップデートできました。
守秘義務との関係について
本ツールは、PCに保存したローカルのHTMLファイルとして動作します。インターネットへのアップロードは行わず、操作画面はブラウザ上であっても、処理はPC内で完結します。
免責事項
このツールは、記事執筆時点の内容をもとにした無償配布の個人制作ツールです。動作の正確性、継続性、特定用途への適合性を含め、何ら保証するものではありません。
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